囚われのパルマの記録

携帯ゲーム「囚われのパルマ」の感想を記録しています。

⑦パルマ/ハルト編 第六章「ハルトくんの愛情の示し方」

最終章になりました。
初回時は終わってしまうのが悲しくて、この章を無駄にウロウロしていた気がします。
 
六章の初回面会でほぼ全ての謎が解けます。主人公が過去にハルトくんと出会ったことを思い出したりしてね。ここ結構良いシーンなのですが、主人公も記憶喪失だったということにちょっと笑いました。記憶喪失同士が会話していたのかと。普通に駄目でしょ。
主人公が過去の女の子だったということが分かり、良かったじゃん!とこちらは思うわけですが、ハルトくんのネガティブパワーは筋金入りでしてね。むちゃくちゃ自分を責め始めます。いやいや、そこまでのことじゃないでしょ。実際主人公忘れてたレベルの記憶なんだからさ、とこちらは思うわけですが、耳を貸そうとしません。そういうとこ頑固なんだよなぁハルトくんて。
しかしスーパーポジティブな主人公の影響を受けて、多少前向きな発言をしてくれます。「自分の時間はあの頃のまま止まっている。でも弱い自分を受け入れないといけない」と。ああ良い話。あの、暗くて感じ悪くて(以下略)なハルトくんが、こんなに人として成長するなんて!感動ですね!
 
さて、この最終章では政木さんと狩屋さんが活躍するターンもあります。それぞれの勇姿を目に焼き付けましょう。
 
[政木さん]
急に主人公を温室に呼び出した政木さん。主人公に「武器を持て!」と念を送りましたが、丸腰で会いに行ってしまいます。くっここで殺っておけば、ハルトくんが後々あんな苦しまずに済んだのに!政木さんは主人公を呼び出しておきながら、だいぶ錯乱した感じで涼子ママへの歪んだ愛情を語り始めます。刑事さん、ここにヤバい人がいます!逮捕してください!
そしてハルトくんを現場に復帰させること、主人公も本土に帰ることを伝えます。政木さんは、自分と涼子ママを唯一つなぐベアトリーチェさえ完成できれば後はどうでもいい様子。愛情が歪み過ぎてていっそ気持ちいいくらいだよ。
まぁなんだろう、少し真面目なことを書くと、政木さんによってこの物語のテーマが分かった気がしました。政木さんのはすごい歪んでるけど愛だし、両親へのハルトくんへの愛情、ハルトくんが幼い頃に抱いた友情とも初恋とも言えない感情、現在の二人の間にある恋愛感情も、全部根幹にあるのは愛なんだなぁと。愛についての物語なんだなぁと、柄にもなく胸がいっぱいになりました。ハルトくんも言っていました。「自分はずっとひとりだと思っていたけど、大きな愛情に包まれていたんだと気づくことができた」と。
 
[狩屋さん]
イケメン看守こと狩屋さんはただの無駄イケメンではありませんでした。詳しくは明かされませんが、何らかのスパイ?で、黄金の蜂計画を探っていた様子。そしてハルトくんにベアトリーチェの真実を告発するように要求してきます。微妙に主人公を人質っぽく使ってね!主人公を使ってハルトくんを説得させるし、告発したら戸籍末梢の上記憶を再び消すとか言い出すし、すごいやばい人じゃん。証人保護プログラムを発動できるなんてCIAか何かなのかしら。
 
さて、そんな感じで政木さんからは現場に復帰するよう言われるし、狩屋さんからは告発するように言われるしで、もともと悩みがちなのに更に深刻に悩むハルトくん。しかもどちらからも微妙に主人公の身の安全をチラつかせられているという。脅しじゃん!
しかしハルトくんはこう見えて筋が通った男ですから、だいたい腹は決まっているのです。主人公を守ること、自分が関わってしまった罪を償うこと。この道を選ぶのです。でもハルトくんの場合は注意が必要で [ ※ただし、自分がどうなっても構わない ] という自己犠牲メンタルがセットなんです。ハルトくんは確かに優しいよ。でもこれは主人公的には悲しいよ?
ラインのやりとりでもハルトくんはすごい後ろ向きな恋愛観を披露してくれます。人魚姫の話かな?相手が幸せになってくれれば自分は消えても構わない的なことを言います。そこで「会いたいとか思わないの?」と返すと、そりゃ会いたいけど、そこまで多くは望めないとかなんとか言います。ネガティブ!ものすごくネガティブ!しかし後述しますが、この恋愛観がリアルに私の恋愛観と似ていて複雑な気持ちになりました。
 
最終面会の前にハルトくんからタイムカプセルを掘り出して欲しいという連絡があります。掘り出してみると中にはアネモネの種が入っていました。しかし長い年月を経て乾燥してしまい、もう目を出す可能性は無さそうでした。これ、すごい悲しい話だよね。過去のふたりを繋ぐほぼ唯一のものが枯れているという。ふたりの関係性も、この種みたいに無くなってしまうのかなという不吉な感じがするよね。
 
さて遂に最終面会です。
最終面会ではハルトくんから看守の依頼を受けることを告げられます。主人公には全く相談とかなく事後報告です。ハルトくん、そういうとこだよ?社会人のときもそうだったんでしょ?周りの人に相談することって大事だよ?主人公のことを思ってくれてるのは分かるのですが、それは良く分かるのですが、この愛情の示し方ってちょっとひとりよがりだよね?まぁチアキさんばりのオラオラは難しいと思うけどさ、今までずっと二人三脚でやって来たのに、急に梯子を外された感じがしたよ。
こんな感じでがっつり梯子を外しておきながらの告白ですよ。ずるい!ハルトくんはずるい!主人公はもうハルトくんのこと好きなんだからさ、こんなことされたら一生引きずるじゃん。しかしね、この告白シーンは良いんだよね。なんか淡々としてて。ここでハルトくんから簡単な性格診断があるのですが「君は自分とそっくりだ。だから好きになるのは当然だ」みたいなことを言われました。え?これまで散々書いてきた、あの暗くて感じ悪くて(以下略)なハルトくんと似ていると?それって君はスーパーネガティブだよね、と言われたということ?これは、、認めたくはないが思い当たるフシはめっちゃある。恋愛観とか過去の傷を抉るレベルで似ているし。そうか、私はハルトくんからイケメンさと優しさと聡明さを引いた感じの人間なんだな。。やばいな。。と自分をすごく客観視することになりました。
ハルトくんからは、子どもの頃みたいに手を繋いでアネモネを見に行きたかったと言われます。そうだよね、私も君たちをそうしてあげたかったよ。うん。でもこの面会は最後が良くてね。お互いもう一生会うことは無いんだろうな、と思いながら「またね」と言って別れるんです。泣いたりしない。いつもみたいに淡々と。ここにハルトくんと主人公の強さと絆を見たよね。すごく良かった。ま、私は号泣だったけどね。
 
さて次回でエピローグになります。
やっぱハルト編は良い話すぎてなんか真面目になっちゃうなぁ。チアキさんが懐かしい。