囚われのパルマの記録

携帯ゲーム「囚われのパルマ」の感想を記録しています。

囚われのパルマRefrain「総括」

全体の印象としてはちょっと長かったかなーと思いました。無印の時みたいに、二人が仲良くなって終わりでなく、その後気持ちが離れて再び距離が近づくという展開でした。韓国ドラマってだいたいこんな感じだよね!ドラマチックではあるのですが、途中から過剰に謎めいてきたり、チアキさんも好きだと言ったり離れろと言ったり対応がブレブレで、ハラハラするというより、一歩引いて冷めちゃうところがありました。難しいものですね。
 
今回はシナリオライターが別の方なのかなと思ったのですが、どうなんでしょうか。なんかちょっと無印と雰囲気違いませんでした?なんとなく、主人公の性格やストーリー展開が無印時代より型にはめられている印象を持ちました。完成されすぎてるって言うのかな。これは私の性格の問題かも知れないのですが、主人公の選択肢に共感できるものが少なく、ストーリーありきの発言が多い印象を持ちました。ハルト編の頃はもう少し主人公の気持ちに幅があった気がします。ストーリーもハルト編では彼と一緒に進めていく印象があったのですが、今回は外野が多いしチアキさんも暴走しがちだったので、完全に部外者という感覚があり、勝手に進むストーリーに振り回されるみたいな印象でした。やはりストーリーを練ったぶん他のことが犠牲になったのかなという感じです。
 
チアキ・カシマは唯一の攻略キャラということもあり、すごく力を入れて作られた印象です。キャラクターというのはだいたい誇張されているので、一言で説明できるぐらい単純になることが多いですが、チアキさんは非常に複雑な内面を持っていて、本当に一人の人間のようなリアリティがあるなと思いました。そのせいかこちらも、ただカッコイイから好きとか、男らしいから好きとか単純に言えない、何かもっと複雑な感情を持った気がします。だからルート3になっちゃったんだけどさ。チアキさんは好きより愛してるという言葉をよく使っていましたが、それがすごくしっくりきました。愛って好きよりもっと複雑な感情だと思うので、チアキさんの気持ちは愛としか言いようがないものだったんだろうなと。そういう意味では無印より深い所へ行ったのかも知れません。
 
サブキャラたちは、元から完成度が高かったので、何も文句はないし、門司くんに関してはもうありがとうございますとしか言いようがないのですが、流石に3作目だとちょっとマンネリ感はありました。次回作ではサブキャラは一新しても良いような気が個人的にはしました。あと料理はちょっとめんどくさかったかな。
 
個人的な好みとして、ハルトくんはやはりどうしても別格で、彼を超えることは難しいのですが、アオイくんのようなとんでもない大惨事にはならず、チアキさんは手堅いところに落ち着いた印象です。主人公の方が恋愛面で積極的というのが個人的にどうも合わないのかも知れません。書いてる本人引きこもりだからね。もし冬編が出るなら、ハルトくんラインだと良いなぁと勝手に思っています。
 
しかし製作者の方々がものすごくリサーチされ、労力をかけ、前作を超えるものを作ろう!という並々ならぬ意気込みで作られたことをすごく感じる作品でした。すごく良いゲームだと思います。なによりこのゲームをしなければ、こんなに他者の気持ちや自分の心のことを考えることも、こんなに文字を書くことも私自身なかったでしょう。そういう意味で人の心を揺さぶる素晴らしい作品でした。既に大人気だと思いますが、より多くの方にやって貰いたいです。本当にありがとうございました!